【文法レッスンシリーズ3】形容詞 adjectif の位置と働き
ラジオまいにちフランス語 中級をめざす人のフランス語文法 ( )
(以下本文中では「中級文法」と言うことにします)に沿って少しずつ文法の復習をしていくシリーズ。
第3回は「形容詞の位置と働き」です。
※なぜ文法の復習をしようと思い立ったのかについては、以下の記事をご覧ください。
slowmotion-fmxx-society.hatenablog.com
それでは、早速今回のレッスンです。
1 復習:そもそも形容詞 adjectif とは?
「形容詞 adjectif 」ってそもそも何でしょうか?
平たく言えば「名詞を修飾(説明)する言葉」ということができるかと思います。(これに対して動詞を修飾するのが副詞 adverbe ですね。)
※ adverbeの方は何となくad(加える) + verbe(動詞) でわかるんですが、ad + jectif はどのような由来になっているのか気になります。
形容詞には様々なものがあります。例えば、
- 品質形容詞 adjectif qualificatif
- 指示形容詞 adjectif démonstratif (ce, cette, ces)
- 所有形容詞 adjectif possessif (mon, ton, son, notre, votre, など)
- 疑問形容詞 adjectif interrogatif (quel, quelle, quels, quelles)
といったものですね。
形容詞は名詞を説明するものですが、名詞に応じて性・数が変化するんでしたね。
このうち今回扱うのは、品質形容詞 adjectif qualificatif の位置をめぐる問題です。
(以下、この回では「形容詞」と言えば品質形容詞のことを指します。)
形容詞の位置については、各種文法書では結構前の方に出てくるんですよ。
例えば、増補改訂版 新・リュミエール―フランス文法参考書では全第17課中の第2課にいきなり出てきますし。
でも結構知識があやふやだったりして、結構書いたり喋れるようになっていて何となく使い分けをできていたとしても、しっかりとしたことは忘れてたりするんですね。
なので、初級から中級に行く時にしっかりと復習することはいいことだと思うのです。
2 形容詞の位置:基本は名詞の後!だが、例外もあり。
さて、というわけで、形容詞の位置ですが、基本は名詞の後です。
例:C'est un canapé confortable
とりわけ、国籍、形、色彩などの客観的状況を表す形容詞は常に後ろに置かれます。
例: un ami japonais, un fauteuil confortable, une table ronde, など
ただし、以下のような短い形容詞のなかには、名詞の前に置かれるものがあります。
例:beau, joli, petit, grand, gros, bon, mauvais, jeune, vieux, nouveau...
これらの形容詞以外でも、話し手による強調・誇張のために前に置かれたり、、、
例:un remarquable livre !
話し手の感情に絡んだ一時的な評価を表すこともあります。
例:quel stupide chat !
【注意!】
母音または無音のhで始まる男性名詞については、次の3つの形容詞は特別な形をとります。3つなんで覚えてしまいましょう。
- beau = bel : un bel appartement
- vieux = vieil : un vieil homme
- nouveau = nouvel : un nouvel ordinateur
形容詞の位置が前か後ろかで何が違うのでしょうか。
「中級文法」では以下のように説明します。
名詞の後に置かれた形容詞は、名詞の示す「人・物事」を同種類の他のものと区別する働きをします。品質形容詞(性質を表す形容詞)の本来の働きは、区別・分類なので、名詞の後に置かれることが多いのです。
(略:grandなどの前に置かれる形容詞について)これらの形容詞は、他との区別という品質形容詞としての働きは弱く、主観的・相対的な評価を表します。
<形容詞+名詞>全体で、ある性質を持った「人・物事」のカテゴリーを表し、一種の熟語になっていることもあります。
引用元:ラジオまいにちフランス語 中級をめざす人のフランス語文法 ( )
P22
つまり、後に置かれるときは、どちらかと言うと客観的な評価、前に置かれるときは、主観的・相対的な評価を表している、と言うことが言えそうです。
3 形容詞の位置の前後で意味が変わってくるもの
いくつかの形容詞は、その場所(前後)によって意味が変わってくるものがあります。
ここで、全てを網羅するではありませんが、基本は名詞の後が客観的、名詞の後が主観的との意味合いを持っています。
いくつか例を挙げておきます。
ancien, ne :
un meuble ancien=古い家具(今は製造されていない)
un ancien élève =卒業生(元生徒)
pauvre :
une famille pauvre =貧しい家庭(お金がない)
une pauvre femme =かわいそうな女性(malheureuse)
propre :
un drap propre = 清潔なシーツ(汚れていない)
mes propres mots =私自身の言葉
seul,e :
une personne seule = 友達や家族がいない
une seule personne dans la salle= 他に人がいない
4 終わりに
今日は形容詞の位置をめぐる問題を取り上げました。
こうした形容詞の豊かな用法を少しずつ覚えて行くことがフランス語をリッチにして行きます。しっかり覚えていきましょう!
それでは、また次回。
A la prochaine fois !
過去の文法レッスンシリーズはこちらから。
slowmotion-fmxx-society.hatenablog.com
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